高田造園設計事務所の高田さんの最新刊

高田さんのオープンガーデンと無料講座があるというので日曜日に行って来ました。

一番左の本は最新刊です。「これからの雑木の庭」という題名。ただ木をどういじくるか、っていう平っぺタイ本ではありません。中身がとても深く、濃いのです。ぜひ本を手に取って見てください。庭の木の役割、町に対して緑をどう活かすか、防災にいかに木が役割を担って来たか、なんてことが1680円の中につまっているのです。写真もきれいだし。ぜひぜひたくさんの人に買って欲しいと思います。

そうしたら高田さんがその現金収入で高田さんがいまやりたいと思っているあまりお金にならない仕事がたくさんできるからです。それは手があいてる私が決してできる仕事ではなく、高田さんにしか出来ないすすめられない仕事なのです。天職とか使命とかだと思うのです。だからこの本が売れて高田さんがそうした仕事に打ち込めるといいな、と心から思います。

 

どうぞよろしくお願いします。

 

これはオープンガーデンがあった家の目の前の通りです。雑木と畑にかこまれた家もいつしかまわりはこんな風景に。木(気)のない風景。気がないと動物も植物も死んじゃうよね。つまりまさしく殺風景ってことね。つまりこれからは庭の木がまわりの景色としても重要だってことも講座の中で話がでました。納得です。

これは阿蘇の一ノ宮神社商店街。人なんてまったく来ない閑散とした商店街が、木を植えて木陰を作って行ったことでいまは一年に何万人も訪れる観光地になったのです。

この運動に関わったのが南阿蘇でうちにも生えているコナラやクヌギ、カエデなど雑木の苗木を作ったり、造園もされている「グリーンライフ古閑」さんです。一度はここにも、古閑さんのところにも行ってみたいなあ。

しかし道の脇にこれだけの木があることで町に潤いがあるとは思いませんか?

さっきの道とこの道とどっちが通りたくなりますか?

木があることろは本当に気がみちています。

こうしてパソコンに向かっているとつい現実とパソコンの画面が乖離してしまいますが、ふと目を上げると私の目の前には深い緑があって、ハッとさせられます。

 

この建物。40年前の建物の入母屋二階部分を使って作ったもの。材をばらして組上げたもの。梁組みはそのまま外して再生民家にそっくりそのまま使った家。残りの材は車庫や納屋に。

 

造園家と大工のコラボ。配置を敷地に対してやや振ることで造園スペース空間が生まれる。ここ、とっても重要。だから設計段階からしっかりとした植栽を含めた外回りの設計が大切なんです。配管スペースとかそうしたことも無意識にしてしまってはもったいないのです。

次の写真で紹介しますが、家際に植栽をしようとする際に、コンクリがうってあったり、配管が埋まっていたりすると効果的な植栽ができないのです。

家を敷地に対して振るのは植栽スペースを取ることも重要ですが、家から見た庭への目線の奥行きなどの効果もあります。

 

ちなみに野地板までとてもとても今では手に入りにくい赤松。立派な材料ばかりだそうです。

これは南にむいて写真をとっています。西側の植栽です。こんな大きな家では西側にこうした植栽スペースが採れますが、じつは狭い家でも西側の植栽はとっても有効なのです。

西日を嫌って窓がない、隣の家と隣接している、などという建て方は都心部では当たり前ですが、

冬のお日様の熱、光、通気などは西の開口部があってこそのメリットです。それをうまく西側に家際に植栽することで補えます。夏は木陰となり、冬は葉が落ちてあたたかな日差しが注がれます。

家際に植栽する意味は夏場の太陽光は南中高度78度の角度で入って来ますが、いくら6、7メートルの高木であってもその陰は一メートルと小さいからです。家から離してしまっては効果がありません。

でも樋に葉が入らないように、幹が家を損傷しない様な手入れが必要です。刈り込むのではなくてメリハリのある意味のある手入れが必要です。

でもこんなことも「これからの雑木の庭」の本にすべて書いてあるから絶対買ったら良いと思います。

だいたい見てみると一平米あたりに7本以上のいろんな種類の雑木が植わっています。それほど混植密植する意味についても「これからの雑木の庭」に出ていますが、つまり小さな雑木林の空間をそこに作るのです。そうすることで互いに権勢し合いながら木はうまく育って行ったり,排他されることで空間が育って行くのです。木を大きくすることが目的ではありません。

観賞用とはちがう庭のあり方がここにあらわれています。

 

室内での講座で参考資料としてグラフが用意されました。それには人工的な日陰空間で休んだときと自然の木陰で休んだときの感情の表れ方がしめされていました。簡単にいうと前者で休んだ時は「ああ、もう30分。もうくたびれたな。また働くのか」となるのに対して後者は「すっきりした。さあ、働こう」となるのだそうです。

 

緑だらけの中で住んでいて良かったと思いました。避難地としていくら放射能のない都会の建物しか見えないアパートを選択して暮らすとしたら別のストレスがたまるのだろうと思いました。ここの風景はそうしたことを相殺してくれていたのだなと思いました。

 

受講者はさきほどの入母屋をばらして組み立てた家にはいりました。午前午後とあわせて80人くらいの聴講者です。私の隣の人は愛知県から来た造園家さんでした。話を聞きにわざわざ休んで来たのです。藤沢の造園家の人もいました。それからここで修行をした鹿児島の友達も、それからグリーンライフ古閑さんの息子さんも来ていました。高田さんの本の絵や設計を頼んだ際にも絵を描いてくれている竹内さんとも再会。
皆さんとは去年姶良(鹿児島)の講演会でお会いしてから一年ぶりの再会です。といっても一年ぶりとか思えないくらい近い感じが勝手にしていて主人と娘が初対面だったと言うことにびっくり。私、竹内さんにも古閑さんにもまだ一度しか会ったことなかったんだった。私は再会できてとてもうれしかったです。竹内さんはそろそろ新しい修行にでるそうで、男性脳では実現できない女性脳ならではの視点を活かした造園家になってほしいと思います。

 

建物配置の写真は姶良土地開発の「まちなか森暮らし」の分譲地です。高田さんが開発設計段階から加わって分譲地の街全体を雑木の植栽として暮らすという分譲地です。姶良土地開発の社長の意気込みはとてもすばらしいもので、その社長、たまたま友達のお母さんの古くからの小学校PTA友達だったり、その娘さんとはそのあとの会食1時間くらいの間に意気投合してそれからすぐあとには鹿児島からいすみのうちに遊びにきてくれてすっかり友達になったし、おもしろい縁を感じました。

 

つれづれなるままに書きました。

 

 

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