私が得意だと思っていた編み物が「遊びでしかなかった」と気がついたのがこの編みぐるみの羊でした。
小学校に入った時から身近に編み物をしていた私にとって得意であったと思っていた編み物でも幼稚園のバザーに提出できる作品が出来ないということは非常にがっかりしました。
並太の羊毛を一号という細い編み針でしっかり編みます。
中に詰める綿が見えないようにです。
中にはしっかりとそれはきつく、きつくスティングという目打ちの長い物に傷を付けたものを使って羊毛を巻き付けます。それを足にします。4本の太さと堅さは一定であることは重要です。
一本巻き終わるとくったりします。
とても精神力を要する作業でこれは授乳中、妊娠中のお母さんにはすすめられない作業です。
同様にすこし具合の悪いときにもできません。
本来自分の中に使うべき生命力や形成力がそがれるから
です。はじめてこうした考え方に触れられた人にはちょっとかわった感覚でしょうか?
でもとてもよくわかります。
それはたくさん経験をし、経験をみてきたからです。
実際にそうなのです。
編みぐるみですから「しっかりと立つこと」は基本です。
握ったときに違和感がないように頭にも胴体にもしっかりと羊毛をつめます。
もうこの綿を詰める作業も目に見える力も見えない中の力もたくさんいる作業です。
握ったときにふんわりとして中が固いとか固すぎるとかもやはりこども達が遊びに集中出来ないのでよくありません。
そうしてそうしてしっかり出来た物だけがバザーでならびます。
そうしたモノが出来るまで何匹も何匹も羊を作ります。
とうとう私はこの羊という作品をバザーに出すことはできませんでした。
決まった糸を買って、
もしそれが廃盤の糸だったら似た感触のものを選んで先生にこどもにそれがふさわしいかどうかを確認して
それで作品を作って確認していただいて
そうした手順をふんでしあげていきます。
このまま書くと、どう伝わるのか
どう受け取られるのか
これをどうとるか、
どうとらえるかは個人の中の力の具合と種類によるのですけれど
今はようやくわかってきました。